リフォーム工事ビフォーアフター(喜多方市T様邸)

会津若松の現場が終了してから2か月あまり、喜多方市の改修工事にかかっていました。

私が改修するということは当然、単に見た目を新しくするだけの改修ではありません。が、細かいことを説明する前に、まずは改修前・改修後の画像を載せておこうと思います。


壁を取り払って全く新しい間取りにしているため、beforeとafterの部屋の大きさや方角が全然違いますが、参考程度にご覧ください。

まずはトイレ。2か所あるけど狭いトイレ→1か所の広いトイレに。

浴室。在来の浴室をユニットバスに。

脱衣室。洗面台と脱衣スペースは、別々の空間に分けました。

↑脱衣室。数年前にせっかく付けたのに全然使っていなかった浴室暖房をここに移設。右側に浴室の入り口があります。
脱衣室に入る手前に洗面台。そしてすぐ右に寝室、左にトイレ。生活動線がかなり短くなりました。

 

寝室はこちら。

全体照明のシーリングライトとは別に、テレビの前でくつろぐ時に使うペンダントライトを設置。当初はこのエリア3畳分だけ畳を敷く計画でしたが、「膝が痛いから椅子でテレビ見る」とのことで全面フローリングに変更。天井までの壁一面のクローゼット設置。
クローゼットの中は造作の可動棚。

 

今回の改修工事で依頼頂いたきっかけは、「風呂・トイレ・寝室を新しくしたい」「ヒートショックの無い空間にしたい」の2点です。さらに、70代ご夫婦の住まいであるため、上記の条件に加えて「バリアフリー」「住みながらの改修」も当然の前提となります。

高齢の方が快適に暮らすには、単に見た目を新しくするだけではないきちんとした計画が必要です。そこに加えて、明治時代から骨格をそのままに改修・増築を繰り返してきた古い住宅。段差が多く断熱材も入っていない、壁や床を取り払ってみると、土台が腐っている、柱の太さや位置が揃っていない等々。長く住まれてきた住まいには、家自体にも相応の歴史があり、これを「快適に住みやすくする」事は、到底この一言に収まらない数多の対処が必要でした。

 

・・・と、もっともらしい表現をしてますが、とにかく直球でいうと「大変だったぁ~!」です。(笑)

リフォームが難しい・大変・もうやりたくない(←笑)と私が何度も言っている理由は、「あけてみないとわからないから」に尽きます。費用や工期の計画はもちろん立てますが、壁や床を剥がしてすんなり新しい物と取り換えるだけで済むはずがない。築年数が古ければ古いほどその度合いは増します。

当然、1棟1棟ケースが異なります。今回のリフォームで費用はこのくらい・工期は何日間と結論が出たところで、次の同じ規模のリフォームが同じ予算や工期になることはないでしょう。

よく「解体して新築すべきかリフォームしてこのまま住むか」と迷う方がいますが、大事なのは「何のためにリフォームするか」ということです。

あと何年住みたいか。既存の家の快適性はどうか。設備を取り換えるだけで今の不満が解消するか。そのあたりの事をきちんと聞き取り、一緒に考えてくれる人に依頼しなければ、リフォームはうまくいきません。

こういう表現は売る側にも買う側にも歓迎されないでしょうが、ユニットバス取替〇〇円!とうたっているリフォーム会社でお風呂を新しくしても、ヒートショックの心配は一切解消されません。バリアフリーリフォームと言って段差にスロープを付けてあちこちに手すりを付けただけの家、安全性が高くなったのか、甚だ疑問です。

もちろん、キッチンやトイレが古くなったから新しくしたい、他に不具合は無いというようなケースなら見た目だけ新しくするリフォームで何も問題ありませんが。家全体のリフォーム、快適性・機能性(断熱や耐震)を高めたいリフォームは新築より難しい(おそらく費用もかかる)ことを理解しておいたほうが良いと思います。

安く済ませて結露だらけでからだに良くない家に住み続けることになるケースをよく見かけますので・・・お金をかけてリフォームしろと言いたいのではなく、「目的に合ったリフォーム方法をちゃんと理解したうえで検討しましょう」ということです。

いつにも増して説教臭さMAXとなりましたが、せっかくリフォームするならきちんと満足できる家にして欲しい、という話でした。