寝室

夏の夜、いちばん涼しいところを寝室とする。
そんな意図で北東に配置されたT邸の寝室は、グレートーンで統一した落ち着いた空間です。

東上がりの斜面に建つT邸は、西日がよく当たる立地。古い家の西側の部屋は、夏場は夜中まで暑さが残っていたそうです。断熱性能を高めた新しい家では室温の上昇を抑えることは出来ますが、西と東を比べたら西側があたたまりやすいのは完全には避けられません。わざわざ温めた部屋でエアコンをつけて寝ることもないだろうということで、最も涼しい北東カドに寝室を配置。

ベッドヘッド部分に奥行の浅いカウンターを設け、携帯の充電やテーブルライトを置けるようにしてあります。それぞれのベッド脇にはコンセント。

T邸はクローゼットではなく、ベッドの反対側の壁一面を使った可動棚を設置。ハンガーパイプを多めに付けて、服はほとんどハンガーで吊るしています。隣が脱衣室&物干スペースになっていて、洗濯したものはハンガーに干し、乾いたらそのまま持ってきて掛けるだけの家事削減仕様。

寝室は、T邸で唯一、無垢材を使わない複合フローリングです。寝室は寝るだけの部屋になるため、予算は最低限で。無垢材の1/3の値段で済ませます。

照明もシンプルで安価なものを選んでいます。可動棚エリアは全体が明るく照らせるようにダクト式シーリングにスポットライトを装着。ベッドエリアは明るさを抑えたブラケットライトを。欲しい明るさが全然違うので、用途ごとに照明を分けました。

キルティングのような厚みのあるクロス。昼間はあまり目立ちませんが、照明を当てると陰影がはっきりして立体感が出ます。