リビングダイニング

T邸のリビングは勾配天井と南側に大きくとった開口が明るい光をもたらす開放的な空間です。

床はナラの無垢板。天井はレッドシダー。自然素材が点在するナチュラルインテリアが特徴。「珪藻土の壁にダーク系の塗装で梁あらわしにした空間も憧れたけど、リビングは明るさのほうが優先」ということで、壁紙は色々なメーカーのサンプルを見た中で一番白色度の高いものを選定。漆喰の話も出ましたが、予算を割いて採用するまで塗り壁にこだわりは無いとのことだったので壁紙に落ち着きました。

リビングはうさぎの遊び場にもなるので、ソファは無し。
「ホリホリカジカジして穴が開く」そうです。
買ったばかりのラグもすでに犠牲に・・・

T邸リビングにはテレビがありません。「しょうもない番組を見せられてイライラしたくない」だって。わかる~(笑)「でもドラマとバラエティはめちゃくちゃ見てる。TVerで」と、テレビが嫌いということではないそうで。
壁掛けできるように下地は入れてあり、アンテナも有るので、付けたくなったらいつでも設置できます。

薪ストーブは暖房と同時に優秀な調理器具にもなります。冬はあらゆる鍋やヤカンがストーブに乗る予定。キッチンやダイニングとストーブが近いのも便利。

新築計画当初から思い描いていたのは、平屋で南側に大きな窓が連なっていること。夏の直射日光を受けないよう軒を深くしつつ、室内は充分に明るいこと。
これを実現するために、大きなFIX窓と引戸が組み合わされたトリプルガラスサッシが2組。大開口ながら断熱性能が高く、夏・冬も外気の影響を受けにくい窓です。

窓を大きくすることは、光を取り入れると同時に、”外”を”内”に取り入れること。周辺環境に恵まれたT邸では、目の前に大きな栗の木。右には会津盆地を見下ろすことができます。

2019年夏に建て方、秋、冬を経て春に完成したT邸はいつも季節の景色とともにありました。工事が進むにつれ、栗の木の青かった実が茶色くなり、その実が落ちる頃には山が紅葉し、冬には窓一面が雪景色。
雨が降ってる。風が吹いてる。雷が鳴ってる。わざわざ窓を開けなくても、自然を家の中で感じ取ることができます。

「想像するんですよ。例えば年を取って一人になったとき、自分はどういう心持ちで毎日暮らすんだろうか。内に内に籠りそうな気がするから、少しでも明るい家にしたかった。季節や天気の移り変わりが感じられる、そういう情緒を保てる家にしたかった。長く暮らすためには、家にいる時間が心地良いものでないとね」

将来の快適さを求めることは、今の時点で既に快適だということ。何年たっても快適が続く家が作れるなら、先を考えることは必要だと思います。

 

家はその人、その家族のためにつくるもの。
だからT邸をご紹介するにあたっては、こういう仕上がりに至った経緯を詳しく記載しました。一例として参考になれば幸いです。