気密検査の結果

つい先日「上棟した」とブログで書いた会津若松の現場は、もう引渡しの時期になりました。まあ、その間の更新をサボってたからブログのうえで「つい先日」なだけで、時間的には4か月近く経ってますが(汗)

大げさに言うと、この現場は、ブログの更新をする気力が残らないくらい毎日気合いを入れて一所懸命やりました。

本当は「急げばお盆前に引渡し出来るかな」と考えていました。おそらく、ここまで気合いを入れなければ木工事の期間はもうちょっと短縮出来たのだと思います。しかし私の職人魂(笑)がそれを許さず、実際は8月末の引渡しになってしまった。施主様には待っていただく期間が延びてしまいましたが、相応のしっかりとした家を作れたという自負はあります。

 

と、「しっかりとした家」なんて言葉で表現したところで、それは私のさじ加減でしかないので。
引渡しの前に、【気密検査】を行いましたので、今回はその報告です。

 

気密検査とは、その名の通り建物の気密性能を調べる検査です。実際に建物内に専用の機械を使用して測定します。検査の様子はこんな感じです→気密測定の方法を徹底解説!日本住環境(株)

 

検査の仕組みは↑のページの説明で割愛するとして、気密検査で得られる数値:隙間相当面積(C値)は「1.0」を下回れば気密住宅と言われています。
今回の気密検査でのこの建物のC値は0.2でした。

たった1行で終われる報告ですが、この数値を出せる建物にするまでには相当の労力をかけて施工しています。ぜひともネットで他の会社の気密検査の結果(C値)を検索してほしいくらい。気密検査というのは必須の検査ではないので、高気密に自信がある会社が性能を証明するために自費で実施することがほとんどです。ましてや、その結果をネットで公表するなんて相当な自信がある証拠。
そんな並み居る猛者たちに引けを取らない、なんならその中でも優秀な部類と言っていい数値です。

私のブログをご覧になっている方には見飽きた話題ですが、家の性能は「施工する人間の知識や技術」にかなり左右されます。長期優良住宅だの低炭素住宅だの、図面上どんなに高性能な家であっても、施工する人間がその図面や設計者の意図を汲んで正確に施工しなければ、実際に高性能な家には仕上がりません。図面のうえで(だけ)高性能な家・・・どれほど多いことか。

そういう意味で、気密検査は実際の建物を計測して数値を出すわけですから、建物の性能を表すうえで非常に正確な指標となります。

 

気密性能が高いと何がいいのか。

漏れ出る熱

床の断熱と気密

温度差がトラブルを生む

数値という目に見える指標で表現出来た事は、この家の性能の証明になったと同時に、自分がやってきたことは間違えていなかったという自信にもなりました。


気密処理なんていうのは、本っっ当に地味な作業なんです。そして住んでいて「いやー気密がいい家だ」なんて施主さんに思われることはまず無い。 断熱は使う素材の良さや厚さが見えるから理解しやすいけれど、気密の良さは実感としてはわかりにくいものです。 施工する職人でさえ、高気密を軽視したり、その重要性を理解しない人間も沢山います。

何度でも言います。気密は断熱と同じレベルで重要です。というか、断熱性と気密性をどちらも同じだけ重視して施工しなければ高性能な家ではありません。夏も冬も快適、かつ結露せず安全な家は、断熱・気密を両立してこそ実現するものです。
だからこそ気密検査の結果には大きな意味があります。

 

ついつい力説してしまいましたが、今回はこの結果を引っ提げてドヤ顔(笑)で引渡しできそうです。安心して快適な生活を満喫していただきたいと思います。